記録が難しい夜間に行われる巣立ち
孵化後40日に当たる7月19日、早朝の巣内にヒナの姿がなかった。夜間に巣立ったのだろう。巣立ちに立ち会わない親は、巣立った事実を知るのは朝の給餌のときとなる。巣へ戻ってみて空っぽだとわかり、はじめて知るのだ。
前年の2019年も、2羽同時に巣立ちが夜間に行われたようだ。やはり早朝、イカナゴをくわえて巣内にやってきた親が、ヒナがいないのを確認して巣立ちを知った。2年とも巣の内外にとくに異常を知らせる痕跡がなかったことから、無事にヒナが巣立ったと判断した。しかし、はっきり断定するには、夜間の巣立ちを記録しなければならない。2020年は、動きを感知して自動で録画が始まる赤外線カメラを設置して記録を試みた。残念ながら反応の遅さや誤動作のため、失敗に終わった。こうして次年度以降、ケイマフリの巣立ちを確認するという課題が残った。