「 北海道の日本海に、周囲12キロの天売島が浮かぶ。島の西側は8種類およそ100万羽の海鳥が繁殖する断崖が続き、反対側の海岸に漁業や観光で生計を立てる270人が住む。
海鳥の多くの種は、食べるのも眠るのも海だ。とはいえ、卵を温め、ヒナを育てる繁殖のときだけ、陸が欠かせない。こうした最も重要な場所を天売島は担っているのだ。
私は、この島の住人となり40年が経つ。この間、700人の人口が3分の1近くに減った。海の資源にも激変が起きた。夏の主要漁獲物だった最高級エゾバフンウニが、温かさに強いキタムラサキウニに取って変わった。1990年頃を境に、真夏の海水温が軽々と20度を上回るようになって起きた現象だ。
さらに、天売島を世界最大の繁殖地とする、40万ペアのウトウを受難が襲いはじめた。脂肪分が高くヒナの成長に理想的な……」 つづきはこちらをクリック→→→210911eye_mainichi